7編からなる短編集。
心が洗われるとは、こういうことかもしれない。
どの作品も凪いだ『海』を連想させる、
深く静かで力強い作品達。
装幀が吉田篤弘さん&吉田浩美さんですね!!
2〜3ページに満たない、超短編からそこそこボリュームのある作品まで、
ほんとうに色とりどり。
共通しているのは、ただ静かで深い世界であるということ。
あまりにも静か過ぎる部屋で、
キ―――――ンという音にならない音が鳴っているときのような、
緊張感も味わえる。
思う存分、文字の海に浸りたい、そんな作品です。
特に印象的だったのは、
『バタフライ和文タイプ事務所』
『ひよこトラック』
『ガイド』
でした。
なかでも『バタフライ和文タイプ事務所』がいちばん、好き。
『バタフライ和文タイプ事務所』
タイトルそのまま、ある和文タイプ事務所のできごとを綴った物語。
和文タイプは…いつだかのyom yom(新潮社)で、
三浦しをんさんが体験談を書かれていましたね。
なので余計に印象的でした。
実物を見たことがないので、母に詳しく解説してもらい、
しっかり楽しむことができました。
欠けてしまった活字(3センチほどの四角柱)の交換先で出会う、声だけの存在。
その彼にほのかな、まだ恋にはたどりついていない、淡い気持ちを抱く「わたし」。
たびたび活字を欠けさせては、彼に思いを寄せる…
ひっそりと、ただ、タイプライターの音だけが響く、セピア色の世界。
欠ける活字がどれもびっくりするような漢字でドキッとさせられる。
でもさすがは小川さん。
こちらの驚きなんておかまいなしで、ただ淡々と物語っている。
『ひよこトラック』
老人と少女の音無き交流。
この世界によけいな音はいらないのではないかと思う。
よく晴れた日向ぼっこ日和の、ちょっと埃っぽい空気の匂いを嗅いだ気がした。
『ガイド』
とあるツアーでの予期せぬトラブル。
少年と老人の、不思議な時間の共有。
何も起こらない、ただそれだけのことなのに、どうしてこんなに惹かれるのだろうか。
小川マジックもしくはトラップでしょうか。
こんなマジックやトラップなら、何度でも騙されたい。
うーん、きっと私は小川さんの創る世界が好きなんだなぁ…
何冊か積んでいるので、しっとりした雨の日にでも読んでみよう。
あなたの読書の参考になれば幸いです。
お帰りの際にぽちっとよろしくお願いいたします(^o^)丿

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出産を控えた姉に農薬が染まったジャムを食べさせる妹……
妊娠をきっかけとした心理と生理のゆらぎを描く芥川受賞作「妊娠カレンダー」。
謎に包まれた寂しい学生寮の物語「ドミトリイ」、
小学校の給食室に魅せられた男の告白「夕暮れの給食室と雨のプール」。
透きとおった悪夢のようにあざやかな三篇の小説。
(文庫裏表紙の作品紹介より)
小川さんの作品は、他に『

博士の愛した数式
』『
シュガータイム
』を既に読了。この方の文章は、高貴という言葉がぴったりだなぁと感じるのです。
そして、ことばのひとつひとつが、すぅーっとぴったり張りついてフィットするのです。
春は春のように、冷たいものは冷たく、とらえどころのないものはとらえどころなく、
それでもそれぞれを的確に感じ取ることができるというのは、
やはりすごいんだろうなぁ。
ミステリアスな雰囲気に包まれた「ドミトリィ」がお気に入りです。
なんだか心臓をぎゅっとつかまれた感じです。
そして、身体に関する記述が、それはもううっとりするほど美しい。
その正確で鋭い描写は、醜い部分までも、そのままに美しいと思う。
なんか、病みつきになりそう。
もっともっと小川さんの高貴な文章を、たっぷりと吸収したい。
あなたの読書の参考になれば幸いです。
お帰りの際にぽちっとよろしくお願いいたします(^o^)丿

この記事はこちらのブログにTBさせていただきました。
ありがとうございましたm(__)m
今日のいいこと??
+++ こんな一冊 +++
capriccio



















