凛子の毎日記録。本読み、げぇむ、手作り雑貨、本屋・雑貨屋巡り、おいしいもの食べ飲(呑)み歩きの記録、になっているはず。目指すはエッセイ的な文章か。
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これは凄い!!
角田さんの新境地です。
いつもの角田さんテイストとは一味も二味も違う。
新境地でありながらも、リアルな突き刺さるような心理描写は、
ますます磨きがかかった印象。

誘拐した子供との逃走劇を、スリルたっぷり、駆け抜けるスピード感をもって描かれています。
事件の様子が少しずつ客観的に明らかになっていくのが、
妙に痛々しく生々しく、心が痛む。
そして、家族ってなんなんだろう、ということを真剣に考えさせられる物語でもありました。
ただ血がつながっているだけじゃ、『家族』になれない、そんな気がします。
しかし、『愛』や『絆』があれば血がつながっていなくとも家族になれるのかと言うと…?
血はつながっていないが、自分の持てる限りの愛情をもってさらってきた子を育てる希和子の、
どうしようもない切なさがひしひしと伝わってきます。
希和子のしたことは決して許されることではないけれど、
彼女と恵理菜(薫)の間には、親子にも勝る愛情が感じられました。

『ダ・ヴィンチ』の6月号にも、この本の特集が組まれていましたが、
この作品のテーマはずばり『母性、あるいは母になること』とありました。
母という存在が強いワケが、少しわかるような気がしました。

一方親子でありながら、誘拐の一件から家族同士の愛情表現がどこかズレてしまった恵理菜一家。
それでも自分の生きる道を模索し、自分の過去と向き合おうと懸命になり、
時にはげしい葛藤にさいなまれながらも成長していく恵理菜(薫)の姿が実にすがすがしく、
乳児誘拐・逃走と尋常でない始まり方をした物語なのに、
読後感がすばらしくよかったです。

蝉は地中に出てから7日間しか生きられない―――
誰しもが一度は耳にしたことがあると思います。
みんないなくなってしまった後、
8日目まで生き残ってしまった蝉が見るものはなんなのか。
ひょっとしたらそれは残酷な世界かもしれない。
ひょっとしたらそれは素敵な世界かもしれない。
未来というのは常に『八日目』で、何が起こるかだれにもわからないけれど、
この目で、この手で、この足で感じること、それが生きていくということなんだと、
この作品を読んで、痛烈に感じました。

いままでにない角田さんを体感したい方には、
ぜひともオススメしたい一冊です。

八日目の蝉八日目の蝉
角田 光代

中央公論新社 2007-03
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出版社/著者からの内容紹介
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか--
理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。
家族という枠組みの意味を探る、著者初めての長篇サスペンス。


あなたの読書の参考になれば幸いです。
お帰りの際にぽちっとよろしくお願いいたします(^o^)丿
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コメント
この記事へのコメント
おひさしで~す。無事神戸に戻られたそうですね。いいなぁ。私も関西帰りたいよ~(笑)

この作品とても良かったですよね。ぐいぐいひきつけられて読みました。「どうか無事に逃げて~」と思っちゃいました。ラストのフェリーのところは、うるうるしました。
2007/05/26(土) 23:59 | URL | naru #z8Ev11P6[ 編集]
こんばんはー★
のこのこ実家に逃げ帰ってきました。

第一章はほんとハラハラさせられっぱなしで、
第二章では妙にしんみりさせられて、
極めつけ、ラストのフェリー乗り場!
きゅーっと締め付けられる思いでした。
2007/05/27(日) 22:27 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
こんばんは。
希和子の、母親になりたい気持ちがリアルに伝わってきて
切なくなりました。
後半は「薫」が前向きに変われて、よかったです。
素晴らしい読後の感動でした。
2007/05/28(月) 01:51 | URL | 藍色 #-[ 編集]
>未来というのは常に『八日目』で、何が起こるかだれにもわからないけれど、
>この目で、この手で、この足で感じること、それが生きていくということなんだと、
>この作品を読んで、痛烈に感じました。

ほんとにほんとうに、そのとおりですね。
希和子にも薫にも、しっかり八日目を感じながら生きていってほしいです。
2007/05/28(月) 06:38 | URL | ふらっと #2OrBXSes[ 編集]
おはようございます。Rutileさん。
確かに尋常ではない物語の始まり・・なのに、読後感はこの上ない爽やかさが印象的でした。
母が子を思う気持ち、血のつながりを超えた絆がそうさせたのではないでしょうか。
未だに思い出すと動揺してしまいます。
それほどまでに、心に深く刻まれた作品でした。
2007/05/28(月) 09:40 | URL | ゆう #-[ 編集]
こんにちは。

誘拐犯、犯罪なのに「希和子がんばれ!」ってずっと思いながら読んでいました。
血がつながっているばかりが家族じゃない。本当にそう思いました。
2007/05/28(月) 15:25 | URL | なな #nsaiuHi.[ 編集]
こんばんは★
希和子の思いには身を切られるようでした。
ラストがすがすがしいのがよかったですね。
希和子にも「薫」にも、八日目の希望を感じ取ってもらいたいと思いました。
2007/05/28(月) 23:37 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
こんばんは★
人は未来に背を向けて立っているそうです。
だから未来を見ることはできないし、
あと一歩を踏み出すことが怖いこともある…
希和子と「薫」の八日目が希望に満ちていることを祈りたくなる作品でしたね。
2007/05/28(月) 23:39 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
こんばんはー★
まさに、母は強し、でしたね。
きっと「薫」も、強き母になれる気がします。
あまりに日常とはかけ離れた事件だっただけに、
動揺する場面も多くありましたが、
最後のフェリー乗り場には、確固たる希望が感じられました。
2007/05/28(月) 23:45 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
こんばんは★
天地がひっくり返ろうとも、希和子は犯罪者。
なのに、その一途な愛情を、応援せずにはいられませんでしたね。
家族とは不思議な絆で結ばれているものだなぁとつくづく思いました。
2007/05/28(月) 23:48 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
こんばんは。
「重力ピエロ」のTBありがとうございました。こちらにもTBさせていただきました!

私も角田さんの本はほとんど読んでいますが、これはすごいですよね。読み終わった後、しばらくぼーっとしちゃいました。
2007/05/31(木) 22:35 | URL | masako #YgPJajOw[ 編集]
こんばんはー。
今までにない感じの角田さんで、
すごく新鮮でしたね。
思い出すだけでむねのどきどきが、
ありありと蘇ってきます。

いつもの角田さんも好きだけど、
どんどん新境地も開拓していってほしい…
ぜいたくな読者です(苦笑)
2007/05/31(木) 22:39 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
こんにちは。
この作品の何がすごいって
やっぱり最後のフェリー乗り場
でしょうね。
あれがなければ、どこか救いのないまま終わっていたところが、
あのほんの数頁で希和子だけでなく
読者も救われたのだと思います。
角田さんの新境地、激しく納得です
2007/06/04(月) 11:14 | URL | BEE #-[ 編集]
こんばんは★
最後のフェリー乗り場には、
ぐっときましたねぇ。
あの場面があったからこそ、
この作品に希望を感じられたのだと思いました!!

角田さんには、これからもどんどん新境地を開拓していってほしいです。
2007/06/05(火) 18:18 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
はじめまして^^
TB&コメントどうもありがとうございました。
TB送ったのですがどうもfc2さんとは相性が悪いようで送れないようです^^;

さて、オイラはこの本を読んで色々と考えさせられました。事件が解決して勿論それは良かったのですが、その後の事を考えると一概には良かったと言えないのかもしれないとか。。。でも最後のフェリー乗り場で救われた気がします。^^
2007/07/08(日) 12:38 | URL | Calroz #HfMzn2gY[ 編集]
はじめまして!!
TBの件すみません~。
うまく送れるときもあるかもなので、
これからもめげずにTBしてみてくださいませ。

この作品は複雑な気持ちにさせられましたね。
「薫」は本当は希和子と暮らしたほうが幸せだったのでは…とか、
いやでもそれは先が見えなさすぎるとか。
読んでいて辛い部分も多かったですが、
フェリー乗り場でそれぞれのかすかな希望を見た気がします。
2007/07/08(日) 20:16 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
Rutileさん、TB&コメントありがとうございました!
わたしにとっては久しぶりの角田作品で、いろいろ不安もあったのですが、
良い意味で裏切ってもらえたような気がしています。
やっぱりいいですね、とても。

実はわたしも、現在司書の勉強をしています。
ゆくゆくは大好きな図書館で働きたくて。
通信講座といえども大変ですが、お互い踏ん張りましょうね。
今後もどうぞよろしくお願い致します。
2007/08/05(日) 07:12 | URL | ましろ #C9/gA75Q[ 編集]
こんばんは★
ホント、いい意味で裏切られましたね。
やっぱスゴイなぁ、と感心させられました。

なんと、司書資格取得中仲間(笑)ですか!!
あまりのテキストの多さと、課題の難しさに悪戦苦闘中です。
お互いいずれは図書館で働けるといいですね!!
共に頑張りましょう~。

それでは今後とも何卒よろしくです。
2007/08/05(日) 21:26 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
お薦めしている本のチョイスがナイスです。角田さんの本は良いですよ
この本はまだ読んでいませんので
読んでみたいです。
2007/09/11(火) 18:04 | URL | てん #-[ 編集]
Rutileさん、こんばんは!
久しぶりの角田さん、素晴らしかったです。
読んでいる間も読み終えてもぐるぐるいろんなことを考えてしまっています。
子供の成長と共に母も育っていくのだと思う私は希和子と薫の関係がとてもとてもまぶしく温かな気持ちでした。
素敵な作品でした♪
2008/01/27(日) 01:06 | URL | リサ #yl2HcnkM[ 編集]
こんばんは★
この作品、ぐぐぅっと迫る何かがありましたよね。
やはり愛情かな?
他人どおしであっても強い絆で結ばれていたり、
親子であっても脆い絆だったり…
なかなか複雑な心境でした。
ラストシーンは感涙ですね。
きっと希和子の愛は薫に届いたと思います。
2008/01/28(月) 22:45 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
こんばんわ。
衝撃的でしたね。
角田さんの作品はそれほど読んでいるわけではありませんが、すごい作品だと思いました。
希和子のしたことは犯罪ですが、私は希和子に少しの間でも育てられて、良かったんじゃないかとも思いました。
血だけではない絆を感じました。
2008/02/01(金) 23:47 | URL | 苗坊 #YZq5j1dk[ 編集]
こんばんは★
希和子は立派な「母親」だったと思います。
だからといって罪でないとは言えませんが…
そこらへんの切なさがこみあげてくる作品でしたね。
フェリー乗り場でのシーンがたまらなく感動的でした。
2008/02/03(日) 21:37 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
こちらの感想、楽しく拝見しました。

久々の角田さんの小説、読みがいがありました。

「八日目」に向けて歩き出す恵理菜(薫)の姿が、元気をくれるました。希和子がでてくる、最後の場面も切なさと共に、ほんのりとした明るさがありました。
2008/03/30(日) 13:50 | URL | 本命くじら #89zBIK8s[ 編集]
こんにちは♪
力作でしたよねー。
ラストのフェリー乗り場でのシーンは、
きっと何回読んでも泣いちゃうだろうな、と思いました。
子どもというのは、親にとって、
きっと輝き続けるものなんでしょうね…
2008/04/05(土) 11:50 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
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