凛子の毎日記録。本読み、げぇむ、手作り雑貨、本屋・雑貨屋巡り、おいしいもの食べ飲(呑)み歩きの記録、になっているはず。目指すはエッセイ的な文章か。
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瀬尾さんの文体は優しいだけに、この「いじめ」というテーマの重さが際立っている。

いじめって、ナゼ起こるのかしら。

気に入らないヤツはいくらでもいる。
そこまでいかなくても、ソリの合わない人というのはたくさんいる。
しかしなぜそれを、しかも陰湿なやり方で攻撃するのか。
弱肉強食とは違う。
動物のそれは、生きるための自然の摂理だ。
人間が人間に行ういじめは、自分が優位に立っていたいという、
身勝手で自分本位な醜い行動である。

奇数章をみちる、偶数章を優子の一人称で描いてある。
かつて優子のいじめに加担し、今自身のいじめを真正面に受け止めるみちる、
かつてひどいいじめに遭い、しかし今はみちると友人である優子。
それぞれの立場から見た、崩壊した教室でのいじめの様子や、
学校の、教師の無力さが残酷なほどリアルに描かれている。

生徒のこころを知ろうともしない教師。
わかっていながら見て見ぬフリをする教師…
これは小説だ、とわかっていても、
あちらこちらに教育現場の本音が隠されている気がしてならない。
現役教師である瀬尾さんだからこそ書ける物語だと思う。

「(略)いじめは会議室で起きてるんじゃない。教室で起こっているんだって感じ。(略)」



耐えるみちる。
かわす優子。
耐えて耐えても逃げ場はなく、かわし逃れても『居場所』がない。
彼女達のやるせない思いが、最後までむねにつかえて息が詰まるようだった。
いじめに正面切って馬鹿正直につっこんでいく、
痛々しいみちるの姿に涙が出てきた。
またみちると父親との絆、優子とその両親のそれがいかにも対照的だったのが印象的だった。
いつか彼女達は『温室』という密室から羽ばたいていくのだろうか。

生きていくうえで色んな困難が降りかかるが、
その対処の仕方は人それぞれだ。
やり方はひとつじゃない、ということを教えてくれた作品でもあった。

温室デイズ
角川書店
瀬尾 まいこ(著)
発売日:2006-07
おすすめ度:4.0


出版社/著者からの内容紹介
今最注目の作家が贈る、痛くて沁みる極上青春小説。
トイレでタバコが発見される。遅刻の人数が増える。
これらの始まりの合図に教師たちはまだ気づかない。
私たちの学校が崩壊しつつあることを。
私には一体何が出来るのだろうか……。
心に染みる極上青春小説。



あなたの読書の参考になれば幸いです。
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コメント
この記事へのコメント
こんにちは、
私も『温室デイズ』読みました。
色々と学ぶ事が多い作品でしたね。
現役教師だからこそ書ける作品、というのは同感です。
またお邪魔しますね。
では
2007/06/12(火) 18:17 | URL | 旭 #UmCLR7/c[ 編集]
こんばんわ^^TBさせていただきました。
読みたくないなぁと思いつつ、読みました^^;
現役の先生が書いている内容なので、やっぱりリアルに感じましたね。
みちるは強い子だなと思いました。
学校を「温室」と表現できるのは、凄いなと感じましたね~。
2007/06/12(火) 20:59 | URL | 苗坊 #Ix1ddpLI[ 編集]
はじめまして。
学生生活を終えた今感じることは、
学校というのは、特殊な空間だったなぁ、ということです。
この本を読んでふいにそんなことを思い出しました。
2007/06/12(火) 22:27 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
こんばんは★
読みたくないなぁ…という気持ち、
わかりますー!!
いろんな方の情報で、思いテーマの瀬尾さんと聞いていましたので。

でも読んでしまいました。
現役教師の書くことだけあって、
さすがだなぁという感じでした。
瀬尾さんはきっと、生徒さんのコトを本当に大切に見守っていらっしゃるんでしょうね。

温室というと聞こえはいいけど、
あの密閉感・閉塞感を学校になぞらえるあたりのセンスもさすがです。
2007/06/12(火) 22:31 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
どうにかしてくれ!という子供たちの叫び声が聞こえてきそうな作品でした。
よく子供達のことをわかっておられますよね、瀬尾さんは。
そうでないと、こういう微妙ないじめを描くことは難しいと思います。
2007/06/12(火) 23:15 | URL | ゆう #-[ 編集]
こんばんは★
子供たちって自由奔放に生きているイメージを持ちがちですが、
実際には、狭く窮屈な世界で"生きづらさ"を感じているのかもしれませんね。
瀬尾さんはそういう子供の内面までをよく見ておられるんだなぁと思いました。
きっといい先生なんでしょうね。
2007/06/12(火) 23:35 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
Rutileさんこんばんは♪
瀬尾さんの中では一番シリアスな一冊でしたね。でも角田さんならもっと泥泥沼沼に書いてくださるだろう、ってだから何だ!!
瀬尾さんの、なんだかどこか張り詰めない、部分的にゆるんでるところが、こういう話でも正面から読ませてくれるというような気がするんです。
2007/06/13(水) 01:21 | URL | やぎっちょ #-[ 編集]
こんばんは。
現役教師の瀬尾さんが挑んだいじめの物語。
重い問題提起でしたね。
みちるの耐える姿が痛々しかったです。
みちると優子。ふたりの気持ちがとても心に残りました。
2007/06/13(水) 01:27 | URL | 藍色 #-[ 編集]
こんにちは♪
思春期の少女達をテーマにした角田さんの本に『学校の青空』(河出書房新社)がありますね。
私は未読なんですが、きっとブラックな展開なんだろうなぁ。
今度買って読んでみようっと♪

シリアスで重いんだけど、SSの吉川や、斉藤君がいい"緩衝材"になっていたように思います。
そのあたりのバランスもよかったですね。
2007/06/13(水) 12:22 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
こんにちは♪
みちると優子の、困難への立ち向かい方が、巧みに対照的に描かれていて、それがすごく印象的でした。
みちるが父に
「私、頑張るから」
と言ったシーンでは、ポロリと涙がこぼれおちてしまいました。
2007/06/13(水) 12:27 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
Rutileさん、こんにちは。
TBとコメントありがとうございました!

みちると優子の「対応」の違い、それぞれの親の違い、
教師の対応の違い。
そうやって「いじめ」にからまるいろんな関係が、
それぞれでみんな違うんだろうなぁと思いました。
「いじめ」とひとくくりにすることで犯人探しをすると
学校と家とでなすりつけあいになっちゃったりしますよね。
でも、どこかのいじめはひとつのいじめで、別のいじめでうまくいった
解決法を当てはめればうまくいくってもんでもないんだろうなぁなんて。

そのうちのほんのひとつを、瀬尾さんがものすごく
リアルに見せてくれたような気がしました。
特効薬はないってことに気づくことが、
まずは必要なのかもしれません。
2007/06/13(水) 17:55 | URL | しろちさ #r4sbyV/Y[ 編集]
耐えるみちるとかわす優子。
二人とも一生懸命でしたね。
特にみちる…なんであんなに頑張ったんだろう?ってずっと思ってました。

2007/06/13(水) 21:35 | URL | なな #-[ 編集]
いつもの瀬尾さんらしからぬ描写に戸惑った記憶があります。
たくさんの中学生に読んで欲しい。
そしてたくさん考えて欲しいですね。
2007/06/13(水) 21:58 | URL | ユミ #Tipl/IsA[ 編集]
こんばんは★
ほんと、特効薬はない、ですよね。
お互いを理解しようという気持ちこそが、解決の第一歩なのかもしれませんね。
2007/06/13(水) 22:27 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
こんばんは★
みちるの頑なな姿には、何度も
「もう頑張らないで!!」
と泣きそうになりながら読んでいました。
逃げるだけが解決法じゃないと教わったと同時に、
優子のように、距離を置くことでわかることもあるなど、
教わることがたくさんあった作品でした。
2007/06/13(水) 22:30 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
こんばんは★
現代っ子が抱える"生きづらさ"や"閉塞感"を扱った、テーマとしては重い作品でしたね。
子供も大人も教わることの多い作品だったように思います。
2007/06/13(水) 22:33 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
これは、いろいろ考えさせられました。逃げるのが一番いいと思っていたけれど、みちるのようなやり方もあるのかと。でも、痛々しすぎました。あれだけ辛い思いをして起こした奇跡があんなに小さいものだなんて、辛すぎます。
2007/06/13(水) 23:11 | URL | june #-[ 編集]
こんばんは★
実際にはみちるのような子はあまりいないでしょうね。
でも決して諦めなかった彼女の未来は、きっと明るいものであると信じたくなりますね。
2007/06/14(木) 01:05 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
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