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不眠症の檜山、夜の町を徘徊する矢鳴、頑なに心を閉ざしたキューピーさん。
大なり小なりこころに潜む悩みを抱えた3人の高校生たちの物語。
いわゆる『青春』のやや斜め上あたりを漂うように過ごす彼ら。
3人の絆は希薄なようでいて、糸のようなものでか細くつながっている。
「あれ」と呼ばれる奇病に冒され、喪失を免れない運命にある矢鳴を前に、
私こと檜山とキューピーさんはなすすべもなく日常をただ通過する。
園芸部を通して徐々に深まる3人の絆であるが、
深まった絆の分だけ、喪失による悲しみも大きい。
それでも『私』は彼らとの距離をもっと縮めたいと願う。
読後はなんだか淋しい気持ちになる。
無性に人を、人と触れ合うことを恋しく思った。
これが『喪失感』というものかしら。
しかしその喪失の悲しみも、時を経るにつれ薄れゆき、
喪失の悲しみを忘れてしまいかけた自分に淋しさを覚えるのだ。
人間とはそういうもので、そんな虚しさをうすぼんやりと描いた作品であった。
全体的にけだるい雰囲気で、曖昧模糊とした印象。
なかなかいいテーマを扱っていると思うのだが、あともう一歩、踏み込んだ描写があれば、
胸に迫るような作品だったのかもしれない。
かゆいところに手が届かなかった、ちょっと残念な作品であった。
『青春』というものをどこか揶揄しているような描写が散見されるが、
それを読んで、
「おぬし、まだまだ若いのぅ」
と思ってしまった私はもうオバサンなのかしら(笑)
そういうものに対して、何かしら難癖をつけたがるところに、
作者の若い感性と、現代的なものを感じた。
全体的にとらえどころのない散文的な作品なのに、『青春』というキーワードだけは、
やたらとくっきり(しかもネガティブに)感じられた。
『失われる者と残される者』という観点からは、
三崎亜記さんの『
失われた町
』を彷彿させたが、
※『失われた町』の感想はコチラ
本作の心理描写・情景描写は、『失われた町』にあるそれには遠く及ばない。
本作発表時埜田さんはまだ20歳。
今後どんな作家として成長していくのだろうか。
あなたの読書の参考になれば幸いです。
お帰りの際にぽちっとよろしくお願いいたします(^o^)丿

この記事はコチラのブログにTBさせていただきました。
ありがとうございました。
<花>の本と映画の感想
黒夜行
ほんだらけ
不眠症の檜山、夜の町を徘徊する矢鳴、頑なに心を閉ざしたキューピーさん。
大なり小なりこころに潜む悩みを抱えた3人の高校生たちの物語。
いわゆる『青春』のやや斜め上あたりを漂うように過ごす彼ら。
3人の絆は希薄なようでいて、糸のようなものでか細くつながっている。
「あれ」と呼ばれる奇病に冒され、喪失を免れない運命にある矢鳴を前に、
私こと檜山とキューピーさんはなすすべもなく日常をただ通過する。
園芸部を通して徐々に深まる3人の絆であるが、
深まった絆の分だけ、喪失による悲しみも大きい。
それでも『私』は彼らとの距離をもっと縮めたいと願う。
読後はなんだか淋しい気持ちになる。
無性に人を、人と触れ合うことを恋しく思った。
これが『喪失感』というものかしら。
しかしその喪失の悲しみも、時を経るにつれ薄れゆき、
喪失の悲しみを忘れてしまいかけた自分に淋しさを覚えるのだ。
人間とはそういうもので、そんな虚しさをうすぼんやりと描いた作品であった。
全体的にけだるい雰囲気で、曖昧模糊とした印象。
なかなかいいテーマを扱っていると思うのだが、あともう一歩、踏み込んだ描写があれば、
胸に迫るような作品だったのかもしれない。
かゆいところに手が届かなかった、ちょっと残念な作品であった。
『青春』というものをどこか揶揄しているような描写が散見されるが、
それを読んで、
「おぬし、まだまだ若いのぅ」
と思ってしまった私はもうオバサンなのかしら(笑)
そういうものに対して、何かしら難癖をつけたがるところに、
作者の若い感性と、現代的なものを感じた。
全体的にとらえどころのない散文的な作品なのに、『青春』というキーワードだけは、
やたらとくっきり(しかもネガティブに)感じられた。
『失われる者と残される者』という観点からは、
三崎亜記さんの『

失われた町
』を彷彿させたが、※『失われた町』の感想はコチラ
本作の心理描写・情景描写は、『失われた町』にあるそれには遠く及ばない。
本作発表時埜田さんはまだ20歳。
今後どんな作家として成長していくのだろうか。
内容(「BOOK」データベースより)
不眠症の高校生・桧山は毎夜窓の外を見下ろし、夜の町に深い海のような孤独を見ていた。
そんなある夜、やはり眠れずに彷徨していた同じクラスの矢鳴に声をかけられる。
二人は次第に打ち解け合い、少女・キューピーさんも輪に加わって心地よい日々が始まった。
しかし、矢鳴は「あれ」と呼ばれる奇病に罹っていた。
身体のそこかしこが痒くなり、やがて…。
喪失の痛みと、それでもなお繰り返される「日常」の残酷。
20歳の新星がものした、たったひとつの『かけがえのない物語』。
かつてどこにもない、ここからしか生まれ得なかった青春文学。
第2回野性時代青春文学大賞受賞作。
あなたの読書の参考になれば幸いです。
お帰りの際にぽちっとよろしくお願いいたします(^o^)丿

この記事はコチラのブログにTBさせていただきました。
ありがとうございました。
<花>の本と映画の感想
黒夜行
ほんだらけ
この記事へのコメント
青春ものには、評価が甘くなってしまいます。
大切なものを失っても、人は、何もなかったように今までどうりの生活を繰り返す。そのことが、とてもくやしい気持ちになる。そんな喪失感を描きたかったのでしょう。
大切なものを失っても、人は、何もなかったように今までどうりの生活を繰り返す。そのことが、とてもくやしい気持ちになる。そんな喪失感を描きたかったのでしょう。
こんばんは★
ふわふわ漂うような『青春』でしたね。
時間と共に薄れゆく喪失感に気づいたときの虚しさを、
羽根のようにふわりとした文体で表現されているのが印象的でした。
ふわふわ漂うような『青春』でしたね。
時間と共に薄れゆく喪失感に気づいたときの虚しさを、
羽根のようにふわりとした文体で表現されているのが印象的でした。
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些末なおもいで埜田 杳 2006年 角川書店 P.144★★★★★「こんなこと言ってるけどさ、大嫌いだよ、『青春』なんて言葉」「そんなの、その時期を抜けたやつが勝手に思い出してキラキラさせてるだけだろ、勝手だよ。押し付けなんだ、ただの」 真っ只中にいる連中
2007/06/15(金) 00:25:09 | ほんだらけ












