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凛子の毎日記録。本読み、げぇむ、手作り雑貨、本屋・雑貨屋巡り、おいしいもの食べ飲(呑)み歩きの記録、になっているはず。目指すはエッセイ的な文章か。
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リクエストしたわけではなく、
図書館の棚にあったものをなんとな~く手に取ったものがコレ。
奥田英朗さんは好きですが、正直そんなに期待はしていなかったんです。
(返却帰還が迫っていたので、読まずに返そうかと思ったくらい)
ところが!!
いざ読み始めたら、もうすんごいおもしろい。
返してしまわなくてよかったーーー!!
もう続きが気になってしょうがない。
物語にぐいっと引き込まれてしまいました。
それくらい力のある作品です。

小学校六年生になった長男の僕の名前は二郎。
父の名前は一郎。誰が聞いても「変わってる」と言う。
父が会社員だったことはない。物心ついたときからたいてい家にいる。
父親とはそういうものだと思っていたら、
小学生になって級友ができ、ほかの家はそうではないらしいことを知った。
父はどうやら国が嫌いらしい。
むかし、過激派とかいうのをやっていて、税金なんか払わない、
無理して学校に行く必要などないとかよく言っている。
家族でどこかの南の島に移住する計画を立てているようなのだが…。
型破りな父に翻弄される家族を、少年の視点から描いた、長編大傑作。
(「BOOK」データベースより)



というふうに、この一家の父は『普通』とは一線を画しています。
最初はこのハチャメチャな父に憤りすら覚えたのですが、
イイオトナがゴタク並べてんじゃねーよみたいな。
物語が進むにつれ、見方が随分変わりました。
とにかく『かっこいい』んです。
前半部はとにかく無茶・時代錯誤ともとれてしまう議論の展開で、
読んでいるこちらまで辟易する部分もありますが、
彼の考えは首尾一貫なんです。
決して御託を並べているんじゃない。貫いているんです。自分自身を。
その様がたまらなくかっこいい。
今の世の中こんなに自分を貫き通せる人、いないですよ(笑)
そんな父に翻弄されまくる家族の描写がまたすばらしいんですな。
二郎の思い、妹・桃子の思い、姉・洋子の思い、そして母であり妻であるさくらの思い…
彼らの思いが文面を通してスッと入り込んでくるんですね。
だから登場人物になったかのように、
彼らと同じ舞台に立っているような気がするんですね。
物語は小学生の二郎の視点で進むので、
子供ならではの無力感がつきまといます。

大人の世界に立ち入れない子供。
子供の世界に踏み込めない大人。

私には子供はいませんが、大人になってしまった今、
両方の気持ちがわかるような気がして、う~んと唸ってしまいました。
東京・沖縄で様々なことが二郎や家族や友達の身に起こり、
怒ったり、呆れたり、(心の中で)泣いたり…、
そんな彼らと一緒に私まで怒ったり泣いたり…。
読んだ後はジムで一汗流したような(ジム行った事ないけど)、
心地よい爽快感でいっぱいでした。

最後に…
私は沖縄には行ったことがないけれど、
奥田さんの丁寧な情景描写・人物描写からは、
彼の地の色や風や匂い、そして住んでいる人たちの吐息までをも感じることができます。

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コメント
この記事へのコメント
こんばんは。コメント残しに来てくださってありがとうございました。夫婦はもちろん姉もなかなか良かったですよねー。最近家族モノをよく読むような気もしますが、良く考えるとこの本も家族モノだ!「やってやるぞー」なんて思ってしまいますね♪
さてさて、ライブドアとたまに(けっこう)相性の悪いブログさんがあるのですが、TBがうまく送られていないようでした。お手数なのですが、もう一度チャレンジしてもらえますか?よろしくお願いします★
2007/01/07(日) 22:04 | URL | やぎっちょ #-[ 編集]
Rutileさん、こんばんわ。
このお父さん、かっこいいですよね。
最初はひいたし、子どもは大変そうですけど・・。
東京での二郎の友だちとのエピソードも、
沖縄での家族と島の人たちの物語もどちらも楽しくて
爽快でした!
2007/01/07(日) 22:47 | URL | june #-[ 編集]
私も偶然『家族モノ』続いてます~。
この小説の女性人は強くてしなやかでしたね。
オンナの私から見てもホレボレしちゃいました。
TBの件、了解しました!!
めげずに「ガンバルゾー」(頑張りどころが違う?)
2007/01/07(日) 23:16 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
そうそう、私も最初は「こんなオヤジ、イヤじゃあ!!」なんて息巻いていたんですが、
だんだん彼の信ずるものが見えてきて、
最後には信念を貫く彼の姿にすっかり魅せられてしまいました!!
2007/01/07(日) 23:24 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
Rutileさん、TBありがとうございました。

第一部の一郎は身近にいたら困り者以外の何者でもないのに、第二部ではカッコよくさえ見えましたね。
価値観の違いとか、自分を活かせる場所とかについても考えさせられました。
2007/01/08(月) 06:59 | URL | ふらっと #2OrBXSes[ 編集]
こんにちは♪
第一部・第二部と、一郎自身が変わったわけではないのに、
こうも印象が違うのが不思議でした。
それだけ人をひきつける何かがあるんでしょうねぇ。
大人になることは妥協すること…なんて思ってしまっていた今日この頃なので、
一郎を見ていると、信念を通すことのかっこよさに目がいってしまいますね。
2007/01/08(月) 17:40 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
Ruliteさん、こんばんは。
Todayと申します。
TB&コメントありがとうございました。
Ruliteさんは、現役の書店員さんなのですね。

この作品は二部構成なのが非常にきいていますよね。
いい作品に出会えると、ますます本の魅力にとりつかれます。
2007/01/08(月) 21:28 | URL | Today #-[ 編集]
Ruliteさん、こんばんは。

一部と二部、一郎の印象が違いますよね。
一部を読んでいる時には「二郎がかわいそう」とか
「さくらさんはどうして一緒にいられるんだろう?」とか思ってました。
二部を読んで納得です。
2007/01/08(月) 21:58 | URL | なな #lx48Me5U[ 編集]
Rutileさん☆こんばんは
二部になってからのお父さんは別人のようでした。
環境が変わると、こんなにも人って変われるんですね。
(*^_^*)
2007/01/09(火) 01:05 | URL | Roko #mnT270eI[ 編集]
こんにちは♪
この作品、一部と二部で舞台がガラリと変わって、
そこに至るまでの躍動感がたまらなくよかったです。

書店員なんてやっていますと、毎日多くの本を目にしますが、
あれもこれもそれもどれも、ぜーんぶ読みたくなってしまいます。
もうすっかり本のトリコですね(笑)
2007/01/09(火) 11:18 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
こんにちは♪
一部では一郎のかっこよさが全然わからなかったんですよ。
まさに二郎が感じるように一郎を見ていたんですが…
二部で一郎の思っていること、信念が明らかになって、
そしてそれを貫こうとしている彼の姿に、ホレボレでしたね。
2007/01/09(火) 11:23 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
こんにちは♪
一郎はきっと、自分があるべき場所に帰ってきたんでしょうね。
そしてあるがままに生きる…
一郎のほど極端なことは、小心者の私には真似できませんが、
自分らしく生きるということは、永遠のテーマですね。
2007/01/09(火) 11:28 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
これを読んでうっかり沖縄へ行ってしまった私がいます…(いや、それだけが理由じゃないですけど!よしもとばななさんの本とか…って結局本が理由…)。
いやぁ、このお父さんには惚れました!!
2007/01/09(火) 13:00 | URL | chiekoa #-[ 編集]
こんにちは~♪
この本を読めば絶対沖縄行きたくなりますよね~。
ホントにいってしまったchiekoaさんはスゴイ!!
お父さんには私もホレボレです。
かっこよすぎですよ~~!!
2007/01/09(火) 21:07 | URL | Rutile #el1ariU6[ 編集]
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